私が万引きを辞めた日
今週のお題「告白します」
私が万引きした品をポケット入れて戻ってから少しして、母が私のところにやってきてこう聞いた
「これ、お金をちゃんと払ったの?」
お店の人はしっかり目撃していたのだ。
私がお金を払わずにそっと持ち出した瞬間を。
私は母にこう言った
「払った」
俯いて小さい声でやっと言った
誰がどう聞いても「払った」に聞こえないような自信のない声でそう呟いた
母はもう一度私と目線を合わせてこう聞いた
「本当に払ったの?ついつい手が出てしまったんじゃないの?」
それでもなお私は意地を張ってこう答えた
「払った」
いやいやいや、払ってないだろこれ。
だけど、その時私は、こう答えないととんでもないことが起こる気がしていた
払ったと言えば払ったことになると思っていたわけじゃないけど、そう答えるしか方法を知らなかったのだ
すると母はこう言った
「わかった。払ったのね」
そう言って、母一人でお店の人のところに戻っていったあの日以来
私は万引きをやめた
そして、あの日のその後の事を私は未だに何も知らない
そして今後も知ることはないだろうと思う